剥がれない床にするには、表面の剥がれる部分を研磨・ポリッシュして剥がれる部分を取ってしまえばよい(メクレーンポリッシュ工法)という考え方で、研磨・ポリッシュの段階によってはコンクリートの骨材が美しい模様を作り、表面強度と大理石のような輝きを連れてきます。
コンクリート床仕上げにはモノリシック工法が長きに渡り定着していて、そこから発生する多くの瑕疵問題に対して、解決しようとすればするほど二次災害を起こしているような状況です。まず長時間拘束に至る労働問題で、夏場や真冬などはかなり過酷な状況です。いくら働き方改革を掲げたところで、建設業の難しさは、このコンクリート床仕上げだけの部分を見ても分かるように、真夏の熱中症の危険を回避することを最優先にはできません。夜生コンを打てばまだましじゃないでしょうか?と思っても、今度は生コン会社との調整がすぐには崩せず、また夜勤手当というコスト面の問題もあるでしょうし。コスト面から切り込めば、瑕疵への対応は見積りには無い契約外工事で、手直し屋さんには嬉しい仕事ですが、元請けさんにとっては頭の痛い内容です。
モノリスの海外視察でドバイを訪問したおり、その容赦ない蒸し暑さ、ミストサウナの中にいるような状況であれだけの建設ラッシュです。そこには夜間作業を標準化しているという作業環境がありました。ただ、非常に特殊な国でもあり、自国民はほとんどが公務員、肉体労働はほぼ外国からの出稼ぎ労働者が担っているというオイルマネーの国という背景はありますが…
このメクレーンポリッシュ工法というのは、追求しても解決しない瑕疵問題に、ならば品質確保は最終仕上げの研磨・ポリッシュに集約すればよいという考えで、そうすることによって労働問題解決という付加価値を生み、更には環境問題にまで良い影響をもたらすという…なのに、なぜすぐに新工法に変えられないのか、多くの組織・人が関わっているからでしょうか、とても残念です。