土間職人にとってやりがいのある仕事とは
まず、土間屋の仕事がどんな仕事かを説明すると、コンクリート床の施工を担うのが仕事だ。建物の床だけでなく橋梁や道路舗装の下地などコンクリート床が「完成後に見えない仕事」もあれば、コンクリートで直仕上げをした床のように「完成後に見える仕事」もある。
やりがいと言うなら、「これがプロの仕事だ!」と顧客に見える仕事はやりがいも大きいだろう。上に塗ったり貼ったりしないコンクリート直仕上げの床、面積の広い物流倉庫のコンクリート床などまさに土間職人の腕の見せどころだ。

土間職人のやりがいとお金
生コンクリートという扱いの難しい素材で仕上げた床が完成後に最大のパフォーマンスを発揮してくれれば、職人のやりがいもMaxになる。見える仕事と見えない仕事の大きな違いと言えるのがやりがいだ。
ただ、仕上がりの良し悪しで単価が決まるわけではない。請けた時点で単価は決まっているのだから、逆に仕上がりが悪ければ請けた会社は手直しで持ち出しになる場合もある、だからといって労務賃金をカットされることはないが。
では、職人にとってやりがいに見合った単価とは?

やりがいに見合った単価?
そんなもんない。



そ、そうですか



職人のやりがいなんて、工事設計労務単価には乗らない。



確かに・・・



だから馬鹿なんだよ、仕事出す側がね。
もっと職人の声に耳を傾けて、職人のやりがいを引き出せばよいのに、設計と元請け会社だけで決めている。



なるほど、馬さんと鹿さん・・・
土間屋の本音
本音を言えば、やりたくない仕事もいっぱいある。やりがいって自己満だけど、それは職人自身の納得でもある。だからやりたくない仕事はやらない。では、仕事を選べる側になるにはどうすればよいか?



簡単だよ、仕事がいっぱい来るようにすればいい。そうすれば選り好みできる、でも少ししか来なかったら選り好みできないだろ笑



仕事がいっぱいくるようにするには?



いい仕事をすること、当たり前だけどね。で、大事なことはそれをインフォメーションすることかな。



なるほど、情報として広めること、その繰り返しで好循環を作る感じですね。



では、土間屋さんの本音で良い仕事というのは?



職人のやりがいを引き出せるような「見える仕事」で、もちろん金もよくて、さらに言えばうるさくない仕事がいいね笑



なるほど、ざっくりまとめてみるとこういう感じでしょうか。





これが土間屋さんの本音ですね。
もちろん実際はやりたくない仕事もやっているはず。



やってあげてんの笑



これ一人親方さんでも本音は同じだと思いますが・・・
一人親方の限界
2024年問題を踏まえて


週休2日だと年間の稼働日は260日、さらに天候に左右される現場の場合考慮しなくてはいけないのが雨(雪)、東京の年間降水日数は100日ほど、日本海側では年間降水日数が200日にもなる地域がある。



こういった条件の中で、一人親方だから自由な働き方といっても、週休2日で現場の監督たちが休むようになると現場は閉所されるので、一人親方も週休2日となる。
その上に日本は雨が降る日が多く、建設業には影響が大きい。



では稼働可能日数をざっくり計算してみましょう。
年間降水日数は工事に影響しない時間帯や雨量などもあると想定して、1ヶ月に平均3日(冬の北海道など特殊な場合を除く)の降水日とすると、1ヶ月の稼働日数は平均18日ですね。



月平均18日ね、それで常用単価25,000円(経費込)としたら月収450,000円、年収は540万円というところだ。常用単価25,000円はかなりいい方だけどね。



仮に土間以外の仕事で月に平均25日稼働できたとしたら、同じ常用単価25,000円だと月収625,000円、年収にすると750万円、これが一人親方の限界だよ。但し、途切れることなく仕事があってのこと!



途切れることなく仕事を確保するって、一人親方には大変じゃないですか?



まず無理だと思う。
例えばRCマンションの場合、スラブ打設したところが乾いて次のスラブ打設ができるまでの期間がだいたい10日~14日、この間も途切れず仕事をしようとすると同時にいくつも仕事を抱えていないといけないからね。



安定的収入の確保ができなくて、やりがいなんて言ってられないですよね。



その安定的収入の確保に向けては、今建設業が抱えている大きな問題が3つある。
建設業の今そこにある危機





この3つの大きな問題、よく考えてみると①②の問題と③の問題は質が違うんだよね。①②は働く人が減る、③は働き方が変わる。





ほとんどの土間屋は仕事のやり方を変えないと、この2024年問題に対応できない。これは仕事を出す側の設計やゼネコンが、分離発注をやめることでかなり改善できると思う。



土間屋の仕事、現状は待機時間という拘束される時間や、主流となっている工法が長時間労働になることなど、それがまたコストを跳ね上げていることにもなっているのに、変えようとしない設計やゼネコン側は馬鹿なのか。



馬と鹿



左官という業種の中でも土間・美装・研磨・雑工と現状は分離発注、一括施工にすればこれら全てがチーム作業になり無駄がかなり省けます。



参考までに、モノリスコーポレーション仲松のコラムを読んでいただくと分かります。これが現場の声なんです。
一括施工であれば、自社の人間を「こっちが足りないから手伝って」とあてがえるでしょう。チームだから。やり直しだって頼みやすい。だから順調に行くんです。正直、分離発注によって監督もしんどい思いをしていると思います。離職率…非常に高いと感じています。一現場で10人以上辞めていく現場もあります。いちいち金額を叩いて、カッツカツの中で余剰費が無いと、監督も辛いでしょうし、皆がモチベーションの低い仕事になってしまいます。仕上がりを見れば、一発でわかりますから。人足りなかったんだろうな…って。(笑)現場の状況を踏まえると、一括施工という考え方は、今後自然と広がっていくだろうと思っています。 ー仲松信夫:モノリスコーポレーションHPコラムよりー





土間屋は安定した仕事量を確保できにくい職種だから、すぐ目先の収入に飛びつく。



まぁ、待機時間なんかの拘束時間にばか高い請求をしたり、㎡の仕事だと投入する人数を少なくして一人当たりの単価がべらぼうだったり、土間屋の側のセコいやり方もあるけどね。でもそういう仕事はいい仕事にならないんだよ残念だけど。



詳しくは、モノリスコーポレーションが提案している「一括施工」を載せておきますのでご覧になって下さい。

